2014年1月11日土曜日

2014年・雪はじめ、と、読書はじめ


雪はじめ

今年はじめて、店番しながら雪を見ました。
あ、ちょっと飛んでるな、と思っていたら、細かい雪がサアーッと。
「本、濡れちゃうよー」と、ちょうど来店された常連さんのアドバイスで、慌てて、外に出していたワゴンを店内にいれました。
玄関先が狭いですね…
それにしてもこの冬は一度も雪が積もっていない岐阜市。
なんとなく、12月・1月・2月にそれぞれ1回ずつは積もる、という覚悟?が、岐阜の人にはあるような気がするのですが、肩透かしな今冬。日々こんなに寒いのに意外な感じです。
最近も晴天続きですものね。
そろそろ、かしら?


読書はじめ


夜、久方ぶりに〈本が読める心持ち〉が自分に生まれているのを感じて、この機を逃してなるかとあたふたと本を探し、まずは「ほんまに」を手に取る。「ほんまに」は、神戸でつくられている〈本好き・本屋好き・ほんまにあ〉のための小雑誌。
最新号は神戸・海文堂書店閉店特集。だからこそ、買切で10冊、当店としては思い切った仕入れをしたのだけれど、まず自分がページを開く気になれずにいた。離れているからこそ現実味なく、今でもそこにあるような気がしていられる海文堂書店の閉店を、思い知ってしまうだろうから。
店舗を開店してすぐの2011年6月、岡崎武志さんの「女子の古本屋」文庫化記念に合わせたトークイベントに、新米・女子の古本屋として呼んでいただいて以来のご縁で、HさんからはHな(笑)新刊案内FAXを定期的にお送りいただいたりもして、店を続けながらもいつも不安な心を支えてくれる拠りどころの一つとして、勝手に心強く思っていた。
冒頭、夏葉社・島田さんの文章を読んでいく。幼いころの思い出話から…海文堂書店、最後の日のことへ。…涙があふれてきてしまい、今日はここまでにした。
最後のお客さんの会計が終わると、福岡店長が、従業員たちに、お客さんが待ってくれてるから行こうと言って、店の前に出ていった。ぼくはそれを映画でも見ているかのように、店の内側から見ていた。
夏葉社の新刊、小島信夫の『ラヴ・レター』を少し。その独特の文体を「うねうね」と表現していたツイートをどこかで見かけた気がするのだが、まさにそんな感じ。うねうね、むちむち、むわむわ、なんだろう、読んでいると擬態語が湧きあがってくる文体。

眠る前に、先日、往来座さんから送っていただいた橋本倫史さんが創刊した小冊子、「SKETCH BOOK」を読み終える。武藤良子さんの題字と、ラフな装幀、そして懐かしい学級通信のような紙とインクの匂いが、かっこいい。「東京」という感じ。橋本さんのつくる本に、いつも感じる感じ。でもこれまでの中で一番わたしにとってしっくりくる、「橋本さんの東京」の感じ。
2編の“スケッチ”のうち、後の「上野は改装中」のまとめが、心に残った。
この十年、パルコは地方都市に積極的に出店してきた。地方出身者の一人として、地元にオープンするパルコは輝いて見えた。しかし、今の上野広小路に、いや今の東京にパルコを求める人がどれくらいいるのだろう。
遠くのまちから徒然舎を訪れてくださるお客様に「岐阜っていいまちですね」と言われることが、本当に多い。お話を伺っていると「いいお店があって、懐かしい雰囲気もあって、住みたくなる」という点が共通している。岐阜は、名古屋よりも先にパルコができ、そして8年前に閉店した、まち。パルコはパルコで必要だけど、「パルコのないまち」も必要なのだと、思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿