2015年7月18日土曜日

久しぶりに古沢さんの喋りを聴く

幸い、思ったほど台風の影響を感じなかった今日。
ご来店も少なめで、店番を代わってもらうこともできたので、岐阜公園近くのギャラリー「小さい家」さんで開催される展示『妄想本屋へようこそ』のオープニングイベント、古沢和宏さんのトークイベントに行ってきました。
昔よりは丸くなったけど、一時期よりはシュッとした古沢さん
犬山の個性派ギャラリー・キワマリ荘管理人にして、古書五っ葉文庫店主である古沢さん。
彼との出会いは、わたしが「古本屋」を名乗りはじめた2009年にさかのぼります。
たぶん、古本屋になって最初にできた〈本の仕事の仲間〉だと思います。

各地の一箱古本市や古本イベントで頻繁に一緒になり(ピーク時は毎週のように顔を合わせていました)、どうしようもなくうるさいハイテンションで持参した本の魅力を喋り続け、時折はまってくれるお客さんもいる一方、その過剰なセールストークのせいで避けられてしまい本が売れず肩を落としている姿を見てきました。
そして、イベント以外の日に会うと極度にローテンションで声も低く小さく、なんやねん!と思いつつも、だからこそ信頼できる人だなあと思うのでした。

本が好き、古本を売って暮らしていきたい、でも、どうにもそれだけでは食べていけない、どうしたら本のことだけで生きていけるようになるのだろう・・・
お互いにそんなことを悶々と悩みつつ、試行錯誤、五里霧中、藻掻きに藻掻いて辿り着いた、6年後の今。
古沢さんの痕跡本トークは、5年前に聞いたそれよりも、格段に深く、面白くなっていて、その変わらない情熱と真摯な努力に頭の下がる思いでした。
ひとことで言えば、感動しました。

6年前には店さえなかったわたしが、今は以前より一回り大きな店を構えるようになりました。
この6年、特に店を構えてからは、日々現実的な問題を前にして、必死に「古本屋」を続けるなかで、あの頃古沢さんと話していたような、妄想の延長のような夢、単純に好きなこと、馬鹿騒ぎのようなものを、少しずつ忘れてきてしまったように思います。
多くの方の助けをいただいて、ほんの少しずつではあれど店の経営が落ち着いてきている今。
古沢さんの変わらない暑苦しさの妄想トークを聞きながら、「いつかこんな古本屋をやってみたいなあ」と夢見ていたあの頃の気持ちが思い出され、古本屋の店主として暮らせている幸せを噛みしめよう、毎日楽しく仕事をして、笑顔で店に立とう、と、思わせられました。

古沢さん、慌ただしく帰ってしまって、ゆっくり話せなかったのがとても残念だったけど、今日、古沢さんのトークを聞けてとてもよかったです。
すごく時間をかけて書いたという『痕跡本の世界』も、じっくり読ませてもらいますね。
また今度ゆっくり、ガストのドリンクバーで色々話しましょう!

★古沢さんの著書『痕跡本の世界』(ちくま文庫)、サイン+ひとことメッセージ入りで入荷しました!限定5冊ですので、どうぞお早めに…

転倒対策に余念がない太閤堂書店。皆様ご安心ください。
先日の長崎旅行で(先週の夏休みに両親と行ってきました。ご報告は後ほど…)訪れた古本屋、銀河書房さんの棚を見ていて、徒然舎でもやろう!と決めたことがあり、夕方から模様替えに着手。
太閤堂書店が昔から使っていた、かなり年季の入ったスチール棚を、急遽増設しました。(ほんと笑っちゃうくらいボロくて味があるのでお楽しみに)

この場所ではなく、店内奥に、【岐阜】コーナーを作っていく予定です。
遠方からご来店くださるお客さまのよいお土産になるような、そしてふるさとを愛する岐阜の方の思いに添えるような、「岐阜らしい本etc.」をまとめて並べたいと思っています。

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昨夜は、夫(太閤堂書店)が古本屋仲間と釣ってきた小アジ小サバを食べるというチャレンジを敢行。
前日、釣ってきた夜に頭と内蔵は取り除いてあったとはいえ、20匹超の小さな魚を淡々と下処理していくのは、慣れないわれわれにはなかなかの苦行。
食卓にありついたのは2時間弱後のことになりました…
ただ、魚の鮮度は間違いなく。
片栗粉をまぶし揚げ焼きにしただけのものに、薬味(かいわれ、大葉)をのせて、ポン酢を掛けただけでも、ものすごく美味しかったです。

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